4月18日、芳泉茶寮にて昨年仕込んだ醤油のしぼり作業と今年の醤油仕込み作業を行いました。
 手作りだからこそできる醤油の楽しみ方、長南町にある美味しいものとの組み合わせ、地域の麹屋さんとの繋がりの中で実現した仕込み作業・・・・・どこを切り取っても、貴重な体験でした。

”フネ”を使った醤油しぼり
 醤油しぼりには”フネ”を使ってしぼります。作業を仕切るのが大多喜に住む醤油しぼり師の”やまちゃん”こと山野邉暁さん。千葉県内では「かずさ手作り醤油の会 いい醤」という手作り醤油のグループがあり、今では40箇所以上のグループが醤油作りを行っています。
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▲醤油しぼり師「やまちゃん」▲
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▲しぼる直前の「もろみ」▲
 「もろみ」のままでしぼると塩分濃度が高すぎるので、お湯を加えながら塩味を確認し、しぼる濃度を決めていきます。
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▲しぼる前の作業▲
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▲布の袋にもろみを入れていきます▲
 布の袋にもろみを入れ、フネの中に何層にも重ねます。最後は木の板を乗せ、ジャッキで圧をかけてしぼっていきます。 
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 ▲ジャッキで圧をかける▲
 しぼりたての生醤油は、初めの段階と最後の段階では段々味が変化しています。後の方になってくると大豆の成分が染み出して、深い味わいになっていきます。
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▲微生物が生きているしぼりたての”生醤油”▲
 手作り醤油の醍醐味は、しぼりたての”生醤油”が手に入ること。火入れをする前のピュアな醤油は微生物が活動し続けています。
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 ▲町長さんの視察▲
 当日は町長さんも視察に見えました。長南町に”今あるもの”で作る豊かな暮らし、美味しいものを知って頂きたくてお招きしました。
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▲火入れの時に出る”アク”は旨みがたっぷり▲
 しぼりたての生醤油に火入れをしていきます。80度で20分の火入れをして発酵を止めます。この後あら熱を取り、別の容器に移し、一週間ほどオリを沈殿させて瓶詰めをして完成です。
 火入れの時に出る”アク”がまた美味しくて、ドレッシングのように生野菜につけたり、色んな楽しみ方ができます。 
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▲もろみを入れた袋のおそうじ▲
 手作り醤油の醍醐味は、山ほどありますが、何と言っても魅力なのは醤油の旨みが残る「もろみかす」 がたくさん手に入ること。袋からもろみかすを取り出すときは、皆で民族ダンスを踊るように、お尻をふりふり♪腕をふりふり♪しながら作業をしていきます。これも笑いの絶えない楽しい時間でした。
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▲色んなお料理に使える「もろみかす」▲
 このもろみかすを使って、肉や魚を漬けて焼いたり、細かくしたものをチャーハンに入れたり、コロッケにしたり色んな使い方ができます。なかでも個人的にお勧めなのは、細かくしたもろみかすとみじん切りにしたニンニクを合わせ、オリーブオイルや胡麻油に漬け込んだ”オイル漬け”はとっても簡単で美味しいです。
 
 長南町にある美味しいものとのコラボ
 お昼には、一人一品”醤油に合う食べ物”を持ち寄り、しぼりたての生醤油を味わいました。長南産の米でかまど炊きご飯、自宅で採れた有精卵、たけのこ、炭火で焼いた原木椎茸、パン作りが得意な方は醤油に合うパン、お薬師豆腐などが並びました。人の数だけ豊かな食べ物があり、”醤油”で繋がる豊かなご飯の時間でした。
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▲醤油に合う食べ物を各自持ち寄り▲
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▲かまど炊きご飯▲
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▲熱々かまど炊きご飯✖️有精卵の卵かけご飯▲
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▲お団子を炭火で焼く宅配菓子屋ほのやさん▲
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▲草餅✖️生醤油みたらし団子は絶品でした▲

来年の仕込み作業、本当の『豊かさ』とは
 このしぼり作業の3日前に行った、来年しぼるための醤油仕込みの作業も同時進行で行いました。
 ※3日前に行った作業はこちら→ http://chonankyouryokutai.livedoor.blog/archives/14281481.html
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▲藤平商店さんにて▲
 3日前に藤平さんに持ち込んだ、炒り玄米と蒸した大豆に麹菌をまぶした物は無事に加工用の「醤油麹」に出来上がっていました。 
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 ▲加工用の「醤油麹」▲
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▲来年しぼる醤油の仕込み作業▲
 杉樽の中に、長南町東地区で汲んだ湧水・塩・醤油麹を入れて攪拌し、来年の仕込み作業を行いました。塩が溶けるまでの間は毎日かき混ぜ、塩分濃度が均一になるようにしていきます。塩が麹の中に行き届くと、醤油を作る耐塩性微生物以外の微生物が死滅します。この攪拌が不十分だと他の微生物が活動し腐敗の原因になるのです。
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 土間ではたくさんの笑い声が響き合い、杉樽の中に新しい生命が吹き込まれていきました。来年もきっと飛びきり美味しいお醤油ができることでしょう。
 長南町の大豆、お米、湧水で作る長南オリジナルの「米醤油」は、藤平商店さんのご協力のもと、来年はさらにバージョンアップしたものになりそうです。
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 ▲醤油のアク✖️ミルクジェラート✖️古代米のポン菓子✖️草餅のパフェ!▲
 最後の〆は、醤油のアク、ちょうなん西小カフェのミルクジェラート、古代米のポン菓子、草餅をトゥピングしたパフェ!この日しかコラボできないスゴイものが出来ました。旨みたっぷりの醤油のアクとのコンビネーションが最高で、これもまた大ヒットでした。
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▲最後の片付けも皆んなでやれば楽しい時間▲ 
 一年かけて大切にして育てた手作りのお醤油。それを皆で分かち合いながら、丁寧にいただく長南町の豊かな暮らし、色んな人に伝えていきたいなと思いました。こうした伝統的な食文化を伝えることで、地域の産業を守り、人と人を繋ぐコミュニティが生まれ、お金では変えるとのできない『豊かさ』が生まれます。
 「長南お醤油の会」はこれからも進化を続けていきます。ゆっくりとこの醤油作りのように、変化を生み出しながら、美味しくて幸せな時間をこの町で紡いでいくことでしょう。